こんにちは。鈴蘭です。
来週からついにノーベル賞の発表が始まりますね。個人的には、自分にも関係があるので、医学生理学賞に注目しています。どんな研究が賞を取るのか今からとても楽しみです。
そんなノーベル賞の前哨戦とも言われるラスカー賞についても、今年は日本人が受賞したこともあり、ニュースなどでも話題になっていますよね。
本日はそんなラスカー賞についてまとめていきたいと思います。
医学の“ノーベル賞の前哨戦”とも呼ばれるラスカー賞とは?
ラスカー賞は、医学・生物医学の分野で大きな成果を上げた研究者に贈られる、世界的に権威ある賞です。1945年にアメリカで創設され、80年以上の歴史を持っています。
その特徴は、「基礎研究」と「臨床応用」の両方を評価すること。生命科学の根本を解き明かす研究から、実際の医療現場で使われる治療法まで、幅広い成果が対象になります。
また、ラスカー賞の受賞者の多くが、その後ノーベル賞を受賞しているため、しばしば「ノーベル賞の前哨戦」と呼ばれます。医学・生物学の世界では、ラスカー賞を受賞した研究は「世界の医療を変える可能性が高い」と見なされます。
ラスカー賞の歴史:医学研究の発展とともに価値が高まった賞
ラスカー賞は、第二次世界大戦後の医学研究を支援する目的で設立されました。当時は感染症や栄養問題など、医学が解決すべき課題が山積していた時代です。
その後、分子生物学や遺伝学が発展し、医学研究は飛躍的に進歩しました。ラスカー賞はその流れとともに価値を高め、「医学研究の最前線を示す賞」として世界中の研究者から注目されるようになりました。
現在では、
- 基礎医学賞
- 臨床医学賞
- 特別賞
の3部門で構成されています。
過去の日本人受賞者:世界を変えた研究が多数
ラスカー賞はアメリカの賞ですが、日本人研究者も数多く受賞しています。その多くが、後にノーベル賞につながるほどの大きな成果です。いくつか例を上げると、
●山中伸弥(iPS細胞)
皮膚細胞を初期化して万能細胞に変える技術を発見。再生医療の可能性を大きく広げました。
●大隅良典(オートファジー)
細胞が自分の成分を分解して再利用する仕組みを解明。生命科学の根本に迫る研究として高く評価されました。
●本庶佑(免疫チェックポイント)
がん免疫治療の基盤となる「PD-1」の働きを解明。オプジーボなどの新しい治療法につながりました。
●柳沢正史(オレキシン)
睡眠を制御する脳内物質「オレキシン」を発見。 睡眠の仕組みを根本から変えた研究として評価されました。
これらの研究は、いずれも「生命現象の根本を解き明かし、医療につながった」という共通点があります。ラスカー賞は、こうした“基礎研究から医療へ”という流れを特に重視しています。
今年のラスカー賞:日本人研究者が2部門で受賞
2026年のラスカー賞では、基礎医学賞と臨床医学賞の両方で日本人研究者が受賞するという快挙がありました。
●基礎医学賞:オレキシンの発見(柳沢正史教授)
睡眠と覚醒をコントロールする脳内物質「オレキシン」を発見し、不眠症やナルコレプシー治療の基盤を築いた研究が評価されました。
※この研究については、次の記事で詳しく解説します。
●臨床医学賞:血友病治療薬「ヘムライブラ」
中外製薬が開発した新薬ヘムライブラは、血友病Aの治療を根本から変えた革新的な抗体医薬です。
※こちらも別記事で詳しく紹介します。
ラスカー賞が示すもの:基礎研究と臨床研究の両輪
今年の受賞は、「基礎研究が生命現象を解き明かし、臨床研究が医療を変える」という医学研究の理想的な流れを象徴しています。
オレキシンの発見は睡眠の仕組みを理解する基盤となり、ヘムライブラは血友病治療を実際に変えました。
日本の研究者がこの両方で成果を上げたことは、世界の医学研究における日本の存在感の高さを示しています。
最後に
ラスカー賞は、医学研究の最前線を示す重要な賞です。その歴史、過去の日本人受賞者、そして今年の受賞内容を知ることで、医学研究がどのように進歩し、医療につながっていくのかが見えてきます。
次の記事からは、今年の受賞研究について詳しくまとめていこうと思います。


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