こんにちは。鈴蘭です。
今回も、前回に引き続き今年のラスカー賞に関する記事を書いていこうと思います。
この記事では今年の臨床医学賞についてまとめていこうと思います。
2026年のラスカー賞臨床医学賞は、日本の製薬企業・中外製薬が開発した血友病A治療薬「ヘムライブラ(Hemlibra)」が受賞しました。
血友病Aは、血が固まりにくく出血が止まりにくい病気です。従来の治療では「第VIII因子」というタンパク質を補う必要があり、頻繁な点滴が必要で、患者の負担は非常に大きいものでした。
ヘムライブラは、この治療を根本から変えた画期的な薬です。
血友病Aとは:血が固まりにくい病気のしくみ
血友病Aは、血液を固めるために必要な第VIII因子が不足する病気です。そのため、少しのケガでも出血が長く続いたり、関節の中で出血が起こって痛みや腫れを引き起こすことがあります。
従来の治療は「不足している第VIII因子を補う」方法が中心でした。しかし、点滴が必要で、週に何度も通院するケースもありました。
ヘムライブラとは何か:第VIII因子の代わりに働く新しい薬
ヘムライブラは、一言で言うと「第VIII因子の代わりに働く新しいタイプの薬」です。
しかも、点滴ではなく皮下注射で治療できます。週1回、あるいは月1回の投与で効果を維持できるため、患者の生活は大きく改善しました。
ヘムライブラの仕組み:二重特異性抗体が血液凝固を助ける
ヘムライブラの最大の特徴は、「二重特異性抗体(bispecific antibody)」と呼ばれる特殊な抗体であることです。2つの抗原を同時に標的とすることで、特異性の向上が期待できます。
血液が固まるためには、因子IXaと因子Xが協力する必要があります。本来は第VIII因子がこの2つを“つなぐ”役割をしています。
ヘムライブラは、この“つなぐ役割”を人工的に再現する薬です。
つまり、第VIII因子が不足していても、ヘムライブラが代わりに働いて血液凝固を助けるという仕組みになっています。
ヘムライブラがもたらした医療の変化:出血リスクの大幅な低減
ヘムライブラの登場によって、血友病Aの治療は大きく変わりました。
- 出血の回数が大幅に減少
- 関節の痛みや腫れが改善
- 生活の質(QOL)が向上
- 第VIII因子に対する“インヒビター”を持つ患者にも効果
- 点滴治療から解放され、日常生活が大きく楽になった
世界中で治療の標準が変わり、「血友病治療のパラダイムシフト」と呼ばれています。
ラスカー賞受賞理由:血友病治療のパラダイムシフト
今回のラスカー賞臨床医学賞は、以下の点が評価されました。
- 第VIII因子に依存しない新しい治療法を確立した
- 多くの患者の生活を劇的に改善した
- 世界の血友病治療を変えた
- 日本発の革新的抗体医薬として高いインパクトを持った
基礎研究から臨床応用までつながった成果として、世界的に評価されています。
最後に
今年のラスカー賞では、 基礎医学賞(オレキシン)と臨床医学賞(ヘムライブラ)の両方で日本人が受賞しました。
基礎研究が睡眠の仕組みを解明し、 臨床研究が血友病治療を変える—— 日本の医学研究と医薬開発が世界に大きな影響を与えていることがわかります。
個人的には、日本の医学研究が世界的に注目を浴びる。そんな機会が今後も増えてくることを期待しています。
今後も、こうした研究が新しい治療法を生み出し、 多くの患者の生活を支えていくことでしょう。

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