第九って年末のもの!?

こんにちは、鈴蘭です。
12月も半ばに入り、2023年の終わりが少しづつ近づいてきていますね…寂しい!
一年の振り返りをする季節だななんて思いながら毎日を過ごしております。


早速本題に入っていきますが、
先日、友人と少し早めの忘年会を行ったのですが、その帰りに駅に向かって歩いていたら、
多くの人が集まっている場所を発見したんですね。
何かと思い、近づいてみたらそこはコンサートホールでした。
何をやっていたのかと気になり、入り口のあたりを見回していたら、第九のポスターが貼られていました。
第九といえば、年末のイメージですよね。
でも、なんで年末になると第九なのかな~とふと疑問に思ったので、なぜ年末に第九なのか
少し調べてみました。意外と面白い背景がありましたので一緒に見ていきましょう。

そもそも第九とは?

第九とは正式には交響曲第九番のことで、ベートーヴェンにより作曲された最後の交響曲になります。
そもそも、交響曲とはたくさんの楽器が同時に一つの曲を奏でるというものになります。
ベートーヴェンはこの第九を1815年頃から作曲を始めたとされ、完成したのは9年後の1824年です。ベートーヴェンが亡くなったのは1827年ですから、最晩年の作品です。
第九といえばその長さが有名ですが、一般的な交響曲は20分から30分程度であるのが一般的ですが、この第九はなんと70分もあるんです。
また、第九といえばその規模も他の交響曲とは一線を画しています。参加する人数はオーケストラとしては大規模な50人から70人、それに加え合唱が参加するため、総勢100人以上が参加することになります。
この合唱が参加するというのもベートーヴェンが初めて行った試みです。

ベートーヴェンは第九を聴いていなかった!?

ベートーヴェンの最後の作品となった第九ですが、初演された1824年には、ベートーヴェンは難聴を患っていたと言われ、作曲時にはほとんど音が聞こえていなかったといいます。
そのため、ベートーヴェンはこの作品を完全に指揮することは不可能でした。しかし、彼はあくまでも”自作自演”の意思を捨てなかったため、補助指揮者を立てた異例のステージとなりました。リハーサルも少なく、独唱者も直前で交代するなど質としてはさほど高くはなかったのかもしれません。
それでも、初演は熱狂的な反応を巻き起こしました。演奏終了後に観衆の拍手の音が聞こえなかったベートーヴェンは、演奏終了後も振り返ることなく、近くの歌手に促され、振り返ったというのも有名な話ですね。

第九といえば「歓喜の歌」?

第九といえば第4楽章の歓喜の歌がシンボルですよね。
ですが、歓喜の歌に続く第1楽章から第3楽章についても素晴らしい音楽が続きます。
第1楽章の冒頭では弦楽器の音が不安定に響き、それらの音が集まり爆発的な壮大な音楽に変化していきます。
続く第2楽章では、ティンパニ協奏曲の異名を持つほどに、ティンパニが主役になります。
高低の音が掛け合うように流れていく、爽快な曲になります。
第3楽章では前の2つの楽章とは一気に雰囲気が変わり神聖な曲が静かに続く。
天国的な安息感が満ち溢れ、時折なるファンファーレがこの神聖な雰囲気を一気に高めます。
そして、最後にやってくる第4楽章では、第3楽章の静けさを破壊するかのように不協和音の爆発、それに続き低弦の奏でる重々しいメロディから始まります。
ここでは、それまで続いてきた第1楽章から第3楽章までの音楽を否定していきます。そして現れるのが、あの有名な歓喜の歌になります。
この歓喜の歌は当時非常に有名であったドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーの頌歌「歓喜に寄す」からの抜粋となっている。この世界に失われた自由と友愛をもたらすというシラーのメッセージが込められています。
それをベートーヴェンが音楽によって表現した壮大なフィナーレで曲を閉じます。

なんで、年末に演奏されるの?

日本では第九は年末のものというイメージが強いですが、なぜ年末に演奏されるようになったのでしょうか。
その理由としては諸説ありますが、いくつか紹介します。
1つ目の説が学徒出陣で卒業を繰り上げられた学生たちの壮行会で演奏され、戦後、生還した学生が帰らぬ仲間を追悼して再び演奏したことが由来となっている説。
2つ目が、年末のボーナス獲得のために第九を演奏していたことが始まりという説です。年末の予算が底をつき、年末の臨時収入のために、人気曲であった第九を演奏してボーナスと獲得していたのですね。
いずれにしても、曲の崇高で華麗なイメージと年末の雰囲気がマッチしたため、年末の定番として定着したのかもしれませんね。

最後に

本日は第九について書いてみました。個人的には第3楽章の静かに続く心地よい曲が好きですが、皆さんはいかがでしょうか。
年末のお休みに第九を聞く時間を持ってみるのも良いのではないでしょうか。
来年2024年は初演から200年の年になります。来年は、オーケストラの生の演奏とコーラスを聞きながら、年末を迎えられたらと思います。
生の演奏での第九を聴いたことがある人もない方も、ぜひ一度聴いてみてはいかがでしょうか。

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